素材の味を生かして 地産の恵みを伝える
イタリアの星付きレストランで本場の味を身につけた店主の佐藤健人さん。「北杜市に戻って店を開きたいと思いましたが、ちょう どコロナ禍でタイミングが難しくて。本当は地元の小淵沢で店を出そうと思っていたのですが、知り合いの縁でこの場所を知り、ここに決めました」。聞けば、古い民家がそのまま残っていたとか。「 大工さんとあれこれ打ち合わせして、 思い描いた通りの店ができました」と待望の店に大満足のようだ。
勢いよくフランベし、食材に香りをまとわせる。
「身がしまっているのでそのままカルパッチョにしま す」と地元の甲州ワイン鱒を使用
大きな窓から 日差しが降り注ぐ店内。アンティーク調のテーブル やイスに趣が漂う。
佐藤さんがこだわるのは食材。 特に魚は、東京で働いていた時に親交があった石川県の鮮魚店から、旬の地魚を送ってもらう。「何を送ってほしいとは言わないから、毎回届いたものを見て料理を考えるのが楽しみです」と佐藤さん。 新鮮な魚はセロリやエシャロット の芳香をきかせたソースとともにカルパッチョに。柔らかい白身が 特徴のスズキは燻製にしてパスタに取り入れる。また地産地消も大切にし、添える野菜は土壌にこだわって栽培する小淵沢の『クレイ ジーファーム』のもの。「夏は家の畑からも毎日カゴに摘んできて、 すべて料理で使い切ります」と話す佐藤さん。「水がおいしくて日当たりがいいから、野菜もありのままのおいしさが感じられる。その味を楽しんでもらいたいから、 あまり手を加えすぎないようにしています。料理を通して北杜市の食材の魅力を、地元の方にもあらためて知ってもらいたいですね」。
鮮魚のカルパッチョ 香味野菜 のソース¥1,300。セロリやニンジン、エシャロットなどを使った香味ソースのカルパッチョはイタリアの郷土
料理のひとつ 。
. フィレンツェ風 牛のトマト煮 込み ¥980は、牛の胃袋をトマトでじっくりと煮込んだトス カーナ地方の名物料理。
料理に合わせるワインもボトルで3500円からとリーズナブル。 「オステリアとは、イタリア語で『食堂』という意味。家族や仲間とにぎやかにおいしいものを食べてほしい」という願い通り、毎日多くの人が訪れる店だ。
古民 家のぬくもりも感じる開放感のある店内。
- Osteria Sato
- 【エリア】山梨・北杜市
- 【電話】0551・33・9433
- 【住所】山梨県北杜市大泉町西井出8240-1803
- 【営業時間】11:30~14:00、17:30~21:00
- 【定休日】 水、木(要確認)
この記事を取材した人 ライター 小山芳恵 ライター生活四半世紀。八ヶ岳に出合ってその魅力にはまり、ライフワークの一環として八ヶ岳デイズに携わる。 カメラマン 松井 進 大阪生まれ。山岳と建築写真を中心に活動しており八ヶ岳デイズの撮影にも携わる。