驚きの再現性は試行錯誤のたまもの
カントリー調の建物が多い小淵沢の地で、異彩を放つシンプルかつ直線的な外観。クールで無機質な建物の2階へと足を進めれば、大きな窓の向こうに甲斐駒ヶ岳や北岳、八ヶ岳を望む特別な空間が広がる。室内に居ながらにして自然の中にふわりと溶け込んだかのような錯覚を覚え、誰もがゆったりと過ごせるこの空間をデザインしたのはオーナーのMさん。この場所と出合った際に「山を一望できるガラス張りのカウンター席をここに置きたい」との思いが芽生えたことをきっかけに、 1年かけて築き上げたカフェだ。
提供されるのは、食事やスイーツ、ドリンクに至るまでグルテンフリーや無添加にとことんこだわったメニューの数々。さらに、小麦粉の代用として使う米粉の糖質が小麦粉より高いという理由から、大豆などを取り入れることで糖質量や栄養バランスにも配慮するという徹底ぶり。看板メニューの欧風カレーは、自家製のフォンドボーとうま味を最大限引き出した国産タマネギをメインに、欧風カレーならではの深いコクを再現。一口食べた時に感じるまろやかな甘み、後から追いかけてくるスパイシーな味わいは、ラードやバター、小麦粉が一切使われていないとは思えないほどのおいしさ。
また、「小麦粉、バター、チーズ、生クリームは使用しないと決心して試作を始め、 1年の歳月をかけて完成させた」というチーズテイストケーキは、言われなければチーズケーキとして食べてしまうほど再現性が高く、口にすれば誰もが目を見張るだろう。
Mさんの「人は健康が一番で、良い食事をとることが健康への最善策」との思いに共感し、「小麦粉を使ったものよりおいしくできないか」の声に応え続けているシェフKさん。そこには、「当店の食を通じて、すべての方がこれからも健康でいられますように…」との強い願いが込められている。
DATA
- rh NUIT BLANCHE(アールエイチ ニュイ ブランシュ)
- 【エリア】山梨・北杜市
- 【住所】山梨県北杜市小淵沢町10147-8
- 【営業時間】10:30〜20:30(L.O.19:30)
- ※11月〜2月の期間中、ラストオーダーは18:00まで(冬季営業時間)
- 【定休日】不定休
- 【他】rh NUIT BLANCHEのサイトはこちら(ここをタップ)
この記事を取材した人
ライター 河野好美
愛知県出身。取材で初めて八ヶ岳を訪れて以来、豊かな自然、澄んだ空気、おいしい食べ物に魅了され続けている。
カメラマン 松井 進
大阪生まれ。山岳と建築写真を中心に活動しており八ヶ岳デイズの撮影にも携わる。