
昼は元気に ヘルシージャンクフード
鹿肉ステーキプレート(左)、ヴィーガンカレー(奥)、無添加鹿肉ホットドッグ(右)
昼と夜、ひとつの店に
ふたつの美味
「八ヶ岳ルロット」は、フランス語で「移動式屋台」の意味を持つルロットの名の通り、もともとは新崎麻奈美さんが清里でフードトラックステーションの運営を手がけたことから始まった。「山祇(やまつみ)Gibier」とはその時からの縁だ。



地域の方のご厚意により、小淵沢の財産区で10年以上空いていた物件に手を入れ、昼間は〝ヘルシージャンクフード〞をコンセプトとした「八ヶ岳ルロット」、週末夜はジビエと野草の創作料理「四季とジビエ 山祇」と、場所を共有しながら営業している。
夜は猟師が設える 本格ジビエと野草の宴

香茸の出汁巻き卵(奥)、鹿モモ肉と鹿ハツの薪火焼き、蒸留水(ソーダ割り)(中)、自家製鹿肉ソーセージ(手前)
「四季とジビエ 山祇」は田邉真也さんと乙黒善生さんの二人三脚。和食店を営んでいた田邉さんは、食材が採れる現場に関心を持つようになり、猟の世界に足を踏み入れた。絵が得意な乙黒さんは、ロゴを頼まれたことで、田邉さんの相棒に。昭和町に自前の食肉処理施設も持ち、毎日のように罠を見回り、すぐに処理できる体制を構築している。

田邉さんは「罠はいつかかるか分からないので“家族より鹿”の毎日です」と苦笑する。「全部独学だったので、最初は処理が未熟で嫌がっていた妻も、今は食べたいと言ってくれます」(乙黒さん)。

北杜市の鹿はどんぐりをたくさん食べていて味がいい。個体差を見極めながら熟成させた精肉は飲食店に卸し、需要があまりない部位は工夫して調理し、筋などはペットフードへ、皮はレザークラフト作家へと、無駄なく使い切る。
「四季とジビエ 山祇」の料理は野草から樹木や苔といった、鹿や猪が暮らす環境ごと料理に仕立てる。通常のメニューでもその片鱗は伺えるが、予約制のコースが真骨頂。食べながら涙を流すお客さまもいるという。

DATA
CAFE & DINER 八ヶ岳ルロット
【エリア】山梨・北杜市
【住所】山梨県北杜市小淵沢町2969-1
【電話】080・2399・6030
【営業時間】月・火11:00〜14:00、
水・金・土11:00〜17:00、日11:00〜21:00
【定休日】木
四季とジビエ 山祇
【エリア】山梨・北杜市
【住所】山梨県北杜市小淵沢町2969-1
【営業時間】木・金・土18:00〜23:00
【他】四季とジビエ 山祇 公式Instagram(こちらをタップ)
この記事を取材した人
ライター 栗本京子
大分県出身。2016年に東京から長野県に移住してフリーランスに。台所・料理・食べることが三度の飯より好き。
カメラマン 篠原幸宏
1983年生まれ。20代後半の旅をきっかけに写真を始める。現在、長野県を拠点に活動中。









