長年培った経験と技で丁寧に仕上げるひと皿

　ジュージューと食欲をそそる音を立てて鉄板で供されるハンバーグ。厚みのある丸いフォルムにナイフを入れると肉汁がじわりとにじみ出て、脂の芳香が漂う。「このハンバーグを食べに、大阪から毎年来られる方もいますよ」と笑顔で話すのは、オーナーの芹澤さんご夫婦だ。もともと清里でペンションを営んでいた両親が、飲食店をオープンしたのをきっかけに東京から移住。「東京ではまったく違う仕事に携わっていましたが、ペンションや店を手伝ううちに料理を覚えて。特にハンバーグは、ペンションの夕食で評判だったミートローフが原点です」と芹澤さんが自信を持つハンバーグは、こね方がカギ。その日の肉の状態を見ながら加減して焼き、表面は香ばしく、中は柔らかく仕上げる。驚くほどふわふわの食感で、肉とタマネギの甘さも十分に感じられるひと品だ。

　もうひとつの定番人気メニュー、とんかつは健康に育てられたSPF豚を使用。肉質のキメが細かく、保水性が高いため旨味を逃さずに料理に使えるのが特徴だ。「自分で食べて美味しいと思う豚肉だけを選んで使っています。脂が甘く、しつこくないのでロースが苦手な人でも食べられると思います」と芹澤さんも太鼓判を押す。肉汁を閉じ込めて絶妙なタイミングで揚げるとんかつは、衣はサクサクで、肉はしっとりとした食感。ボリューム感はあるが肉自体はさっぱりとしていて、ぺろりと食べられる。「スキーや登山客にも人気です。一度食べたらリピートする人も多いですね」という言葉にも納得だ。

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DATA

• ダイニングカフェ　Derra
• 【エリア】山梨・北杜市
• 【電話番号】0551・35・9000
• 【住所】山梨県北杜市大泉町西井出8240-4910
• 【営業時間】
• ランチタイム　11:00~14:30(L.O.14:00)
• ディナータイム　17:00~20:00(L.O.19:30)
• ※冬季はディナータイム営業時間変更のおそれ有り
• 【定休日】火、水

この記事を取材した人

ライター 小山芳恵
ライター生活四半世紀。八ヶ岳に出合ってその魅力にはまり、ライフワークの一環として八ヶ岳デイズに携わる。


カメラマン 荻野哲生
1986年生まれ。旅する写真家。「写真からストーリーが伝わるように心がけています」。