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レトロな空間で味わう
エキゾチックなひと皿を

2023.3.3 食べる

縁側でほっと一息 ご近所さんの憩いの場

 明るい縁側の隣り合うふすまの向こうには、オレンジの灯りに照らされるレトロな空間が待っていた。中はカウンターと小さなちゃぶ台がふたつ。キッチンからは定番メニュー「スパイスラムカレー」の香りが漂ってくる。

 21年夏より『古民家カフェ トロッコ』を営むのは、井上有希さん。東京から家族と共に移住して2年が経つ。ご主人の営む指圧院の隣でいつかカフェをやりたい、と思い描いていた夢が、古民家との巡り合わせでふいに現実に。都内の飲食店でパティシエとして長らく働いた経験を生かし、旬の素材を使った本格スイーツを提供する。オープンして早々、しばらくテイクアウト営業だったことから、食事メニューも追加。もともと好きだったというラムを得意のスパイスカレーに合わせてみた。ジューシーでクセのあるラム肉の旨味が、トマトベースのスパイスカレーと相性抜群!今ではお店の人気定番メニューとなった。

 古民家を借りる大きな理由となった縁側は、床の隙間から雑草が生えてくるほど、荒れた状態だったという。床の張り替えや、キッチンの増設など、三度の改装を経て、心地良い場所を作り上げた。お店で使う古い家具や器は井上さんのお母さんが集めていたもの。まるで初めからそこにあったかのように、自然と空間に馴染む。

 「子ども連れの方からご高齢の方まで、気軽に訪ねてもらえるカフェにしたいです」と井上さん。春には庭の桜が満開になるという。縁側でお花見をしながら、カレーを味わう贅沢な時間を想像する。

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DATA

  • 古民家カフェ トロッコ
  • 【エリア】山梨・韮崎市
  • 【住所】山梨県韮崎市藤井町南下條1546
  • 【営業時間】9:30〜15:30
  • 【定休日】金、土、日、月、祝日
  • 【他】instagram.com/torocco_cafe
この記事を取材した人

ライター 北村有沙
石川県生まれ。ライフスタイル誌の編集者を経て、長野県上田市の本屋バリューブックスで働く。


カメラマン 篠原幸宏
1983年生まれ。20代後半の旅をきっかけに写真を始める。現在、長野県を拠点に活動中。

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