田舎暮らしもそば打ちも農業も気負わず楽しむ
「そばを打つのが大好き。本格的なそばを気軽に楽しんでもらえたら」と笑顔で話す杉明日香さんは、8年前に東京から北杜市に移住してきた。独学でそば打ちを楽しんでいたが、白州町の『ビューファーム鳥原平 名水そば』で職人として2年働いた後に独立した。
店内にはカウンターとテーブル席、座敷席を用意
雄大な南アルプスの麓は、花崗岩でろ過されたミネラル豊富な天然水に恵まれた場所。その清らかな水と白州産そばの二番粉と三番粉を使用し、スタンダードな「二八蕎麦」を提供している。一日に出す分をその日の朝に打つそばは、コシが強くて喉越しも良く、キリッとした辛めのツユによく合う。
鮮やかな緑色が美しい抹茶を練り込んだそばは 、一 本の麺 が白と緑 になっている「二色蕎麦」。
“地産地消”を大切にしている杉さんは白州産のそば粉を使い続けている。
また「そばを楽しんでくれる方が増えたら」と始めた、珍しい「変わり蕎麦」は、桜の葉やヨモギ、山椒、青じそ、トマトなど、旬の食材を一番粉に混ぜて打つ名物。その都度練りこむ食材を変え、季節感溢れる素材を生かした美しい色合いと香りが魅力だ。「そばの風味と共に季節の色や香りを味わって。今後はミカンやユズなどの柑橘系を合わせてみたい」と微笑む。
スイカやミニトマトも生育。
野菜の栽培にも取り組んでいて「ほったらかし農法です」と笑うが、きちんと整備された圃場ですくすく育つ野菜の姿に、しっかりと手を掛けていることが伝わってくる。そばも栽培しており、今後は生産量を増やしていきたいと意気込む。「もっとそば打ちの技術を向上させ、お客様に打ちたての風味を楽しんでもらい、笑顔で帰っていただくことが一番」と語る杉さん。オリジナリティー溢れる「変わり蕎麦」で旬のおいしさを伝え、そばの新たな楽しみ方を提案している。
店主 杉明日香さん
北杜の自然が育む 季節の味を 楽しんでください!
DATA
- 満月庵
- 【エリア】山梨・北杜市
- 【電話】080・7399・2493
- 【住所】山梨県北杜市武川町牧原675-1
- 【営業時間】 11:30~14:00
- 【定休日】水、木
- 【その他】instagram.com/mangetsuan/
この記事を取材した人 ライター・カメラマン 藤原恵里 山梨県北杜市清里生まれ。撮って書く二刀流フリー編集者&野菜ソムリエで、日本種苗新聞の記者も務める。