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自分らしく一歩踏み出す力を、ジュエリーに乗せて届けたい

2024.2.23 働く

 庭で摘んだ爽やかなハーブティーを飲みながら「鳥や虫の営み、風の流れなど、自然の小さな変化に気 づけることが楽しい」と話すのは、ジュエリーデザイ ナーの大島範子さん。「自然の中で五感が研ぎ澄まされ、デザインのイメージが浮かんできますね」と、微 笑む。範子さんは、東京の美術系学校を卒業して大 手ジュエリーメーカーに14年勤務。その後、お子さん の進学と夫でフォトグラファーの健治さんが独立するタイミングで退職。以降、健治さんが経営するウエ ディングやファミリーフォトスタジオのマネジメントの 仕事に就き、家庭に仕事にと日々まい進してきた。

 子どもも成長し、スタジオも店舗数を増やすなど、 順風満帆だった10年前のある日。ふいに健治さんか ら「自分のやりたいことをやってみたら?」の一言。友 人たちも「ジュエリーの仕事はしないの?」と、気にか けてくれたという。長年のブランクに「私にできるか しら?」とためらっていた範子さんだったが、周囲の 言葉に応えて、これまでの自分を振り返ってみたとい う。妻として、母としての時間は大切で幸せだったけ れど、つい自分を後まわしにしてしまっていたかもし れないと気づいた範子さんは「自分らしく生きよう」「やっぱりジュエリーの仕事が好き」と、ジュエリーデ ザインの仕事に復帰することを決めた。ここで一歩 踏み出した勇気は、範子さんの人生を大きく変える転期となった。その後、範子さんらしい細やかな仕事 と持ち前のセンスでジュエリーの仕事も増え、フォト スタジオもジュエリーデザインも両立させていった。  

 そんな範子さんの次の転期は2020年に訪れた。世 界を巻き込むパンデミックを目の当たりにして、これ からの自分たちの幸せな暮らしについて、夫婦で話し 合ったのだ。「ありのままの自分たちでいるためには、 自然を感じられる場所に住みたい」という結論に至 り、それが八ヶ岳だった。

 2 0 2 0 年 9 月 、八ヶ岳に家を探しながら暮らすために、清里のログハウスに入居。そして「アトリエ、スタジオ、自宅をバランスよく使える良い物件」として、 現在の家を見つけて2022年4月に入居した。今後、1 階はスタジオ兼コミュニティースペースとして利用す るつもりだ。コミュニティースペースではセミナーの開 催、スペースレンタル、ライブ配信なども行い、「人が集まれる場所にしたいですね。人と人をつなぐことが できたらうれしい」と話す。

 最後にブランド名「Ra-shi-ku(ラシク)」について尋ねると、「自分らしい人生を生きようとする人を応援したい。だから“らしく”です」と、力を込めた。「自然 のエッセンスを採り入れたジュエリーを身に着けて、 その人らしく自然体でいられるように」と、これからも願いを込めたデザインを描き続けていく。

【Name】大島範子さん
大手ジュエリーメーカーに勤務し、デザインコンテストでのグランプリ受賞など才能を発揮。一時期離職したものの、2020年にオリジナ ルブランドRa-shi-kuを発表し、八ヶ岳を拠点に活躍している。
【その他】ra-shi-ku.net
この記事を取材した人

ライター小嶋かおり
愛知県の山間部出身で、自然のなかで遊ぶことが大好き。それゆえ八ヶ岳の人々の暮らしに興味津々で取材をしている。



カメラマン 松井 進
大阪生まれ。山岳と建築写真を中心に活動しており八ヶ岳デイズの撮影にも携わる。

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