長年の経験と感性で 地元の食材をフル活用
フルーツ王国・山梨の中でもブドウの名産地として知られる韮崎市穂坂町。茅ヶ岳山麓面にブドウ棚が広がり、長い日照時間と昼夜の寒暖差、水はけの良い土壌が高品質な果実を育んでいる。
そんな穂坂町で50年以上ブドウを栽培している「フルーツ相山農園」の三代目・相山幸寛さんが、雄大な南アルプスを望む地に小さな和食処をオープン。地元産の食材をたっぷり使い、一品一品丁寧に作られた本格的な和食のコース料理が楽しめる。
ランチの「あい山ご膳」は、前菜プレート、煮物、メインは肉料理と魚料理から選ぶスタイルで、2カ月おきに内容が変わる。韮崎市や甲斐市の生産者から仕入れる野菜、甲斐市の水産卸加工業者から届く新鮮な魚介、井筒屋醤油のみそとしょうゆ、河野屋豆腐店の豆腐など、地元の新鮮な素材を余すことなく盛り込む。みそ汁に使うみそとコシヒカリは自家製だ。
小学生の頃からキッチンに立っていたほど料理好きの幸寛さんは、調理師の資格を持つ。長年調理の仕事に携わり、腕とセンスを磨いてきた。栄養士の資格を持つ裕美さんもまた、メニュー作りに貢献。「おいしい料理を食べて喜んでほしい」という純粋な思いと「いつでも安定した味と接客を心がける」という志の高さから、リピーターが足しげく訪れている。
農作業をしながら飲食業を続ける大変さはあるものの、自分の店を持つという長年の夢を実現させ、「これからも手作りにこだわりながら、新たなメニュー開発に挑戦していく」と幸寛さんは笑顔で語る。旬の食材と相山さん夫妻の感性からどのような料理が登場するのか、期待は高まるばかりだ。
DATA
- 農家の食卓 あい山
- 【エリア】山梨・韮崎市
- 【電話】070・4433・6566
- 【住所】山梨県韮崎市穂坂町三ツ澤273-1
- 【営業時間】11:30~14:30、18:30~22:00(夜は前日までに要予約)
- 【定休日】 月、不定休
- 【他】https://www.instagram.com/aiyama.911/
この記事を取材した人 ライター・カメラマン 藤原恵里 山梨県北杜市清里生まれ。撮って書く二刀流フリー編集者&野菜ソムリエで、日本種苗新聞の記者も務める。