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北杜市明野町のガスボン メタボリズムで アーティスト 安井ちさとの個展『Whereabouts』が開催中

2024.9.29 イベント

 山梨県北杜市の、複合アート施設である「GASBON METABOLISM(ガスボン メタボリズム)」にて、安井ちさと氏の大規模個展『Whereabouts』が9月13日(金)から10月28日(月)の期間で開催されている。

 「身体と造形の関係性」への興味をきっかけに大学で陶芸を学んだ後、素材と自身の身体との対話を通して、“陶芸”の枠に留まらない作品を制作・発表をしてきた安井氏。幼少期から今に至るまで、「何かを描いたり作ったりすることで、常に自身の感覚の触手の行く先に見え隠れする何かを追いかけているような心地でいる」と説明する彼女の作品は、〈素材との対話〉や〈身体的な思索〉の結実として立ち現れている。

 また、個展のタイトル『Whereabouts』とあるように、安井氏は自分の内・外に〈居場所〉を探し求めてきた。素材との直観的な対話を通して、言語化される以前の自身の実感や、この世界の真理にまで根を下ろすという制作への姿勢は、〈居場所〉の様相を捉えていくことが伺える。手に触れる素材と身体感覚が相関し、互いにとっての『路(理路)』となり新たなカタチとして作品が生まれていくのだ。

 こうした素材と身体の関係性を深め続ける中で生み出された安井氏の作品は、多面的な造形や、多彩な表面の肌理が見て取れる。また、カタチの輪郭に左右されない自由な広がりを保ちつつ、自身に内在する立体的且つ多次元的な思索の構造体としての表現が評価されている。

 本展では、高さが2mを超える大型作品に加え新作を中心とした作品が展示される。先立つ身体経験を何度も重ねることで蓄積された感性により生み出された作品を、ぜひ実際に鑑賞してほしい。

安井ちさと Chisato Yasui

 2010年に筑波大学大学院博士前期課程デザイン領域陶磁専攻を修了。2008年大学院在学中に長女を出産したため修了後しばらく作家活動を休業。本格的に作家活動を開始したのは2015年から。2017年より海外へ進出し、以降国内外で作品を発表し続けている。
 主な展示に、2020年つくばで開催された個展「Whereabouts – わたしの在り処」、2023スイスAIFAでの木下玲子とのDuo show「Do you see it?」。2023イタリアで開催された“Grottaglie International Ceramic Competition”、ポルトガル開催の“Aveiro Ceramic Biennale”双方のコンペティションでHonorable Mention Prizeを受賞。

展覧会概要

会期:2024年9月13日(金)〜10月28日(月)
会場:GASBON METABOLISM
住所:山梨県北杜市明野町浅尾新田12
開場時間:11:00〜17:00(金、土、日、月)
※Instagramにて最新情報更新中→【ここをタップでInstagramアカウントへ】

GASBON METABOLISM(ガスボン メタボリズム)
 ガスアズインターフェイス株式会社が、2022年8月に開設した複合アート施設。制作から作品メンテナンス、撮影のできる「スタジオ」、国内外のアーティストが滞在して制作を行える「レジデンス」、地域と異業種との繋がりの窓口となる「コミュニティ」、アーティストたちの作品を展示する「スペース」、アーティストの作品を保管する「ウェアハウス」などの機能を持つ。有機的なコミュニケーションを持続していくプラットフォームとして、関わるクリエイターの創造性を捉えて新陳代謝を活性していくことを標榜している。

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