
生産者の元へ足を運び季節の素材を厳選
清らかな古杣(ふるそま)川のほとり、緑に囲まれた静かな場所に佇むシンプルモダンな建物。中に入ると居心地が良さそうなカフェ、その奥の扉を開けると一転、洗練されたレストランフロアが広がる。

カフェとレストランの入り口は同じ。中の扉で仕切られている。
「ちょっと奥まった場所に作ったのは、ぜひここを目指して来ていただきたくて」。そう話すオーナーシェフの小池秀樹さんは、ベルギーの3ツ星レストランをはじめ、清泉寮や地元の名店で腕を磨き、「ここを最後の職場にしようと思って」と、パティシエの妻とともに、満を持してこの店を立ち上げた。

店名の『コントラスト』は日常使いのカフェとぜいたくで非日常なフレンチレストランの対比と、もうひとつ「お客さんにいつもと違った時間を楽しんでほしい」という小池さんの思いから付けられたものだ。


セミフォーマルな雰囲気の『コントラスト』。
どちらの店も小池さん渾身の料理を提供。「出会いを大切にして、生産者の元へ必ず足を運んでいます」と話し、素材は地元のものを中心に厳選。「地元のお客さんには魚料理が好まれるから」と、魚介類は豊洲や山口から新鮮なものを取り寄せる。フレンチのランチやディナーはこれらの食材をふんだんに使用。

アオリイカとウドを使ったタルト、珍しい八ヶ岳産マンゴーのサブレなどが盛られた前菜から、地元の新鮮な金時人参のマリネとまろやかなソースを添えた魚のポワレなど、どれも小池さんの丁寧な仕事が施されたひと皿で見た目も味も感動的だ。

この日の魚はヒラメを使用。ニンジンと大根を甘酢でマリネしたもの、臭みを抜いたニンニクや山梨県産のサフランを使ったソースが白身によく合う。


カフェで味わうスイーツも、地元のイチゴやリンゴをたっぷり使ったケーキやタルトなどが並ぶ。野菜がゴロゴロ入ったキッシュや、自家製ハムを使ったサラダなどの総菜も充実。地元の人も気軽に立ち寄りたくなる一軒だ。


ピスタチオのクリームを載せたチョコレートタルトのショコラアメール¥660※はベルギーのレストランで小池さんが学んだスペシャリテ。カフェラテ¥605。 ※イートイン価格
DATA
Contrast
Cafe Lys
【エリア】山梨・北杜市
【住所】山梨県北杜市長坂町大井ケ森1113-4
【電話番号】070・8538・1044
【営業時間】Contrast 12:00〜15:00(L.O.13:15)、 18:00〜21:30(L.O.19:15)
Cafe Lys 10:00~17:00(L.O.16:00)
【定休日】火・水曜日
※料理はランチ¥5,500〜、ディナー¥7,700〜の一例
この記事を取材した人
ライター 小山芳恵
ライター生活四半世紀。八ヶ岳に出合ってその魅力にはまり、ライフワークの一環として八ヶ岳デイズに携わる。
カメラマン 武田かよ
愛知県出身、東京都在住。ペットや家族をテーマに活動中。風景や星空もこよなく愛し、自然豊かな八ヶ岳との二拠点生活を夢見ている。