思わず長居したくなる 郷愁誘う琥珀色の世界
大正14年築の蔵に足を踏み入れると、大きな柱時計が時を刻み、 ゆったりとしたアナログレコードの音楽が流れ、色鮮やかなクリー ムソーダがキラキラと輝く。そこには懐かしさが込み上げてくる昭和レトロな空間が広がっていた。
懐かしい味わいの
クリームソーダ¥600。
「昔懐かしオムライス」はランチセットでサラダとスープ、
ドリンク付き¥1,500。
地元出身の後藤はるなさんが実家の「アンティークショップ仁』の隣に喫茶店をオープンしたのは昨年8月。幼い頃から古民家に住み、父親が収集したアンティークに囲まれて育ってきたので、古き良きものへの愛着がある後藤さん。曾祖父の時代から米蔵として使われていた築100年の蔵を再生して大切に使い続けていきたかったそうだ。
梁や壁板などはそのまま残し、
ヘリンボーン柄の床がさらにレトロ感を演出。
また、学生時代に病気を患い、 時間をかけて療養してきた経験から「私にとって時間は、あらゆることを癒やして解決してくれます。ここでゆっくりと心安まる時間を過ごして癒やされてほしい」と、店名を「時薬」と名付けた。
たくさんのアンティーク食器は、
祖母が実 際に使っていたものに加え、
父親や後藤さんが集めたものも。
栄養士と調理師の資格をもち、 県内のホテルやフレンチレストランで料理人として経験を積んだ後藤さんが提供するのは、昔から愛されてきた喫茶店の洋食メニュー。オムライスやナポリタン、クリームソーダ、プリンなど、子供から 大人まで喜ぶものばかり。父親が 育てた有機栽培のコシヒカリや野菜、地元産の食材を取り入れた後藤さんオリジナルの味わいだ。
「今後は父のお米から米粉をつくってグルテンフリーのデザートも開発したい」と笑顔で語る後藤さん。その熱い思いとこだわりがぎゅっと詰まったノスタルジックな空間は、心をゆるりとほぐして時間がたつのを忘れてしまいそうだ。
店主 後藤はるなさん
アンティークの温かみに癒されて下さい。
看板犬 はなちゃん
DATA
- 喫茶 時薬
- 【エリア】山梨県・北杜市
- 【電話】0551・47・5022
- 【住所】山梨県北杜市高根町五町田1094-1
- 【営業時間】 11:30~16:0(0食事は要予約)
- 【定休日】日、月、火、水(1、2月は休業)
- 【その他】https://tokigusuri.com/ instagram.com/kissa_tokigusuri/
この記事を取材した人 ライター・カメラマン 藤原恵里 山梨県北杜市清里生まれ。撮って書く二刀流フリー編集者&野菜ソムリエで、日本種苗新聞の記者も務める。