
緩やかな傾斜地に建っているMさん邸。屋根のはねだし部分を大きく取り、建物の雨漏れを防ぐことで、木材や漆喰などの材料が使用できる。
単に施主の要望を聞くのではなく、議論を重ねて一緒に造っていく。伝統的な和風建築を得意とする『伊藤工務店』は、家づくりのプロセスも大切にしている。
頑丈で魅力的な住宅を時間をかけて実現
八ヶ岳連峰の最高峰、赤岳の東麓に広がる野辺山高原の別荘地に佇むMさん邸は、軒が大きく張り出した切妻屋根と白い漆喰の壁が特徴的な純和風家屋だ。その凛とした姿には、まるで神社仏閣のような気品を感じることができる。

竣工から1年。Mさんも「日本の気候風土に合った伝統的建築様式を取り入れたいと考えていたので、とても気に入っています」と、出来栄えの良さに目じりを下げる。
Mさん邸の設計・施工を手掛けたのは長野県富士見町にある『伊藤工務店』。無垢の木材を使い、気候や風土に合った住まう人が木の温もりを十分に感じることができる家づくりを得意としているハウスビルダーだ。

玄関を入ると無垢の木の香りが鼻腔をくすぐる。マツやスギ、ヒノキなどの木材をふんだんに使って、冬は暖かく、夏は涼しい家に仕上がった。
東京の大学でデザインを学び、修行先の工務店で日本の気候風土に基づいた伝統の技法を身につけた大工でもある『伊藤工務店』二代目の伊藤松太郎さんはMさんとの最初の面談時に「施主様とのコミュニケーションを何よりも大切にしています」と宣言。Mさんの思いにじっくりと耳を傾けることから家づくりをスタートさせた。
「住居の中央に大黒柱を鎮座させたい」「マイナス20度の厳冬でも薪ストーブで楽々過ごしたい」……。伊藤さんは多岐にわたるMさんの要望をただ聞くだけではなく、時には議論を交わしながら一緒に最適解を探っていったという。
その結果、基礎断熱と床下エアコン暖房で快適さを確保することに。伝統工法の住宅でありながら、耐震性や断熱性に優れた住宅が出来上がった。

住居の中央に大黒柱がある住宅が Mさんの希望の一つ。リビングから柱や梁がしっかりと見えるように吹き抜けになっているのもポイント。

美しい野辺山高原の風景を眺めながら、ゆっくりと自分の時間に浸ることができるスペース。 ここでクラフト製作をするのが、Mさんの楽しみの一つ。
「家づくりはプロセスも大切。じっくり時間をかけて、丈夫で長持ちという物理的耐久性と何年経っても魅力のある価値的耐久性の高い家をつくり続けます」と伊藤さん。『伊藤工務店』の家づくりにかける熱量が伝わってくる。

開放感たっぷりの対面型キッチン。純和風な見た目とは違ってキッチンやリビングなどは今時の要素をふんだんに取り入れている。このような設計が可能なのも、施主との対話や家づくりのプロセスを大切にしている『伊藤工務店』ならではのことだ。
DATA
伊藤工務店
【エリア】長野・富士見町
【住所】長野県諏訪郡富士見町境8603
【電話番号】090・1828・6653
【営業時間】8:00〜17:00
【定休日】日







