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原村で0〜2歳までの保育を実現! 自然と戯れ、「育つ力」を養う保育園

2023.12.22 暮らす

自然の中で遊び、生活リズムを整え、社会性と自ら育つ力を養う。 豊かな環境があるからこそ実現した、 原村初の乳児専門の保育園だ。

「今日はどこをお散歩しよう?」子どもも大人もワクワクの毎日

 住宅街の中にある、小さな保育園 。「 た だ い ま 〜 ! 」と 、 園児たちが元気に散歩から帰ってくる。小さな笑顔があちこちで見られ、とてもにぎやかだ。
 園長の橘田美千代さんがこの『八ヶ岳 風の子保育園』を立ち上げようと思ったのは、原村へ移住し、赤ちゃんを抱えながら酪農の仕事を行う女性と出会ったことがきっかけだ。「原村の保育園は10カ月からでないと預かってもらえないと聞いて、産休明けから預かる保育園を作ろうと思いました」。

橘田さんには、今から40年前、東京で保育園を立ち上げた実績がある。その経験を生かし、2021年7月に「乳児保育園を原村につくりたいプロジェクト」を設立。地元に住む保育士さんと共に、議会へ陳情した。「原村に乳児保育園が本当に必要か? と問われ、実績が必要とも言われました」。これからは乳児を預けて働くお母さんもきっと増えると考えた橘田さんは、「とにかく実績を作ろう」と2022年4月無認可の保育園を設立。翌年長野県の認可を取得し、生後57日目から預かる保育園を立ち上げたのだ。

遊んで、食べて、お昼寝当たり前の幸福が子どもを育む

『八ヶ岳 風の子保育園』では子どもたちの生活のリズムを整えることを大切にしている。1〜2歳児は登園したら近くへ散歩に行くのが日課だ。「子ども自身が持って〝育つ力〞を支えるために、自分が興味や関心を持てるような直接的な体験を大切にしています」と話す橘田さん。子どもたちは花を触ったり、虫をつかまえたりと、発見と遊びを繰り返しながらのんびり歩く。その姿を見て橘田さんは「子どもの感性と体が鍛えられます」と笑顔だ。「東京の保育園でも散歩はしましたが、ここの自然は毎日違う。その変化に、子どもだけではなく私たちも毎日感動していますよ」。

 散歩をした後は、汗をたくさんかいていればシャワーを浴びたり、手足をきれいに洗って、お楽しみのお昼だ。園の食事・おやつは全て手作り。添加物は一切使わず、米は有機米を、野菜も有機栽培をできるだけ使う。その野菜は、支援者の力を借りながら自分たちの畑で育てているものもある。「散歩している時に、『ここの畑で子どもたちを遊ばせていいですよ』と声をかけられたんです」と橘田さん。「子どもたちも毎日畑に出かけて、野菜を収穫したり、どろんこ遊びをして楽しんでいます。これらの貴重な体験から自然の楽しさを知り、社会性や自ら育つ力、感性が育まれると思います」。
 こうした保育は、園だけではなく「保護者と一緒に」が大切だと橘田さんは言う。子どもはもちろん親の幸せも大切にする、そんな保育園だ。

DATA

八ヶ岳 風の子保育園
【エリア】長野・原村
【電話】0266・75・1806
【住所】長野県諏訪郡原村3909-14
【その他】kazenoko8.com

この記事を取材した人

ライター 小山芳恵
ライター生活四半世紀。八ヶ岳に出合ってその魅力にはまり、ライフワークの一環として八ヶ岳デイズに携わる。


カメラマン 松井 進
大阪生まれ。山岳と建築写真を中心に活動しており八ヶ岳デイズの撮影にも携わる。

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