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ひとつ屋根の下に仕事も暮らしも!移住でかなえたワークライフバランス

2024.3.15 暮らす

指圧院とカフェ、夫婦2人の夢を自宅で実現。 生活のすぐ横で仕事をして得られる、 家族の時間を大切にした暮らし方がここにある。

「年を取ったら縁側でのんびりお茶をする、というのが2人の夢。せっかく移住したなら縁側のある家に住みたいと思っていました」と話す井上達也さん、有希さん夫妻。空き家バンクで見つけて即決した古い一軒家。賃貸だが少しずつ手を加えながら、家族が住みやすい家に変えつつある。

移住の最初のきっかけは東日本大震災だった。「東京にいて、都市の脆弱性を感じました。その後、長男も生まれて、地方で子育てをしたいと強く思うようになりました」と達也さん。「自分の家で仕事をしたい」と会社勤務から指圧師へと転職した達也さんの思いもあって、日本全国で移住先を探したという。だが、仕事関係の講習などで東京へのアクセスの良さは重要だったため、山梨県への移住を考えることに。

「甲府市の移住コンシェルジュにすすめられて、夏と冬の 回、山梨県内にあるお試し住宅で移住体験をしました。また、そこを拠点にいくつかの市町村を見て回りました」と話す達也さん。「知人から韮崎市は街としてバランスがいいと聞き、とにかく行ってみようということになったのです」。有希さんも「子育て支援センターで保育園や学校、病院などの話を聞いて、ここなら安心して暮らせると思いました」と言う。また手厚
いサポートも移住の決定打になったとも。「韮崎市にはファミリーサポート制度があり、忙しい時は理由を問わず、子育て支援センターで子どもを見てくれます。つわりがひどかった時も保育園のお迎えに行ってくれたり。何かあった時に頼れる場所があるのは、とても心強いと感じています」。

今しかない家族の一瞬一瞬を 大切にする暮らしを選択

古民家ならではの趣を大切にした2つの仕事空間

井上家の〝古民家改造計画〞は現在も進行中だ。住み始めてすぐに、キッチンとトイレを中心とした1期工事が完了。2020年に行われた2期では、2人の大切な縁側と、達也さん念願の自宅指圧院が完成した。


板張りの天井やふすまも昔の風情のままに残した指圧院は、まるで施術室とは思えない落ち着いた雰囲気でどこかホッとする。「コロナ禍だったこともあり出張メインで仕事をしていましたが、最近では出張と両立してここで施術も行っています」と達也さんは笑顔だ。


 翌年行われた3期工事では、パティシエである有希さんの夢をかなえるカフェ『トロッコ』をオープン。地元で採れる旬の野菜や果物を使ってオリジナリティー溢れるスイーツやランチを手掛ける。「農協で仕入れたり、知り合いの農家の方に譲ってもらったりしながら、極力生産者の顔が見えるものを使っています。東京ではできなかったことがここでできてうれしいです」。
2人が家で仕事をすることで、家事の子育ても2人で行っている。

「自分たちの暮らしを営むすぐ横で働けるのは、家族にとってもいい環境だと思います」と笑う達也さん。「家族で過ごす時間を増やしたいというのも2人の願いでした。東京にいた時より気持ちも時間の使い方も豊かになっていると実感しています」。

 将来は「週末や夜も営業したいし、書道教室も開きたい」と有希さん。達也さんも「家のスペースを活用してヨガ教室などもやりたい」と意欲的だ。夢も、家族で過ごす大切な時間も、この場所でゆっくり、じっくりと育んでいく。

Family Data_Case
【Name】井上達也さん、有希さん、 寛太くん、颯太くん
【Migration】完全移住 東京都→山梨県韮崎市
【Working Style】八ヶ岳へ自営業の場を移す
達也さんは自宅に「おけたく指圧院」を開業し、予約 制で指圧の施術を行う。有希さんは子どもが小さい ため、平日を中心にカフェ「トロッコ」を営む。

おけたく指圧院
【エリア】山梨・韮崎市
【電話】080・3547・735(4完全予約制)
【住所】山梨県韮崎市藤井町南下條1546
【その他】oketaku.com

トロッコ
【営業時間】9:30~15:30
【定休日】金、土、日、月、祝
【その他】instagram.com/torocco_cafe/

この記事を取材した人

ライター 小山芳恵
ライター生活四半世紀。八ヶ岳に出合ってその魅力にはまり、ライフワークの一環として八ヶ岳デイズに携わる。


カメラマン 篠原幸宏
1983年生まれ。20代後半の旅をきっかけに写真を始める。現在、長野県を拠点に活動中。

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