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人と暮らしが好きになる 僕らの家族にぴったりの場所

2024.2.16 暮らす

2つの仕事を持ち、どちらも柔軟に継続させながら ファミリーで移住した福岡さん。 自然、人、仕事に対する思いが溢れていた。

自営の場を移して家族の時間を育む

 「男女の幸せに寄与する仕事」と、自身の仕事を表現するのはジュエリーデザイナーの福岡克将さん。17年前に名古屋で起業し、現在は依頼の多い結婚指輪を中心に製作を行っている。全工程を鍛造で手作りする克将さんにとって、素材やデザインをイメージするため、結婚する2人を知ることはとても重要。そこでゆっくり話ができる場所が必要と考え、克将さんの頭には「それは森だ!」とひらめいた「。2人のことを知り、僕のことも知ってもらい、できる限りの仕事をしたい」という熱い思いは、森へと向かったのである。人とのつながりを大切にする克将さんが、仕事に真摯に向き合った結果が、移住への大きなきっかけとなった。

 森(=自然)への〝思い〞は、以前からあった。一つは「お金=幸せが必要になりがちな都会から離れたいという〝思い〞。もう一つは、子どもを授かって人間も自然の一部と感じたことで、家族と自然の中で暮らしたいという〝思い〞。同じ〝思い〞を持つ妻の央奈さんも移住に賛成だったという。

自然と人のありのまま その姿を作品に映し込む

 その〝思い〞を持って家を探し始めた夫妻には偶然の出会いもあった。克将さんの高校の恩師の個展が『八ヶ岳倶楽部』で開催されたのだ。そこで八ヶ岳倶楽部とのつながりができ、親切なアドバイスも移住の後押しになった。2020年11月、北杜市に見つけた家へ家族で転居。克将さんはガレージを改装した工房で製作を開始した。

 八ヶ岳の暮らしについて尋ねると、克将さんは「本当に居心地が良くて、疲れるにしても疲れ方が違う気がします」と話し、央奈さんは「心が通じるような人との距離感が心地いいですね」とにっこり。子どもたちはというと自由にのびのびとし、自分たちでできることが増え、2人からみても〝生きる力がついている〞と感じられるそうだ。

 また克将さんには、実はもう一つの顔がある。実家である名古屋の老舗たこ焼き店を継いだ、たこ焼き店の店主でもあるのだ。そこで今回の移住を機に、手作りのキッチンカーでのたこ焼き販売にもチャレンジ。週1回、スーパー『ひまわり市場』へ赴き、販売の合間にはジュエリー製作のPRも行った。そこでつながった人からジュエリーの発注もあるなど、八ヶ岳での生活を順調に手にしていった。 

そして昨年6月、念願をかなえるための物件を富士見町に購入し、央奈さんや友人と共に壁や床を自力で解体。骨組みがあらわになった家は、今年中に自宅兼工房にセルフビルドする予定だ。将来的には「雑貨、衣料、食品などを扱うショップや、土間を生かしたギャラリーをやってみたい。地域に喜ばれる場所にしたいな」と央奈さん。「結婚する2人の話をじっくり聞くなら、宿泊もできるようにしたいですね」と克将さん。「家は今年中にできるかな?」「どうかな〜」と会話する、2人の満ち足りた笑顔が家族の幸せを物語っていた。

Family Data_Case 6

【Name】福岡克将さん、央奈さん、 天くん、明くん、幸ちゃん
【Migration】完全移住 愛知県→山梨県北杜市 (長野県諏訪郡富士見町で自宅建築中)
【Working Style】自営業の場を八ヶ岳へ
オーダーメードの指輪などを鍛造で手作りする 『amakuni』は移転開業。たこ焼き店は『吉川屋八ヶ岳店』(キッチンカー)として展開。
【その他】www.amakuni.net
instagram.com/yoshikawaya.yatsugatake/
この記事を取材した人

ライター小嶋かおり
愛知県の山間部出身で、自然のなかで遊ぶことが大好き。それゆえ八ヶ岳の人々の暮らしに興味津々で取材をしている。



カメラマン 松井 進
大阪生まれ。山岳と建築写真を中心に活動しており八ヶ岳デイズの撮影にも携わる。

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