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甲斐駒ヶ岳の恵みに感謝し“細胞が喜ぶデリ”を提供

2024.7.12 食べる

英の人気デリ店仕込み スパイスの使い方が絶妙

 信玄餅で知られる和菓子の老舗『金精軒』を実家に持つ、小野絢子さんが店長のデリ&レストラン。山梨県産大豆100%の大豆ミートを使用したカレーやスープ、北杜市で採れた有機無農薬野菜を使ったデリを楽しめる。小野さんはロンドンの人気地中海料理デリ『Ottolenghi』で料理を学び、ヘッドシェフを務めた経歴の持ち主。スパイスの使い方をはじめ、中東や地中海の文化が入り交じるイスラエル出身のオーナーシェフからさまざまな調理法を学んできた。「地元を離れて東京の会社で勤めていたときに、北杜市の野菜の素晴らしさにようやく気付くことができたんです。野菜中心の生活を送ると腸内環境もよくなって、マインドもポジティブになりました」。自らの原体験を広く届けたいという思いをかねてから抱いていた小野さんは、帰国後に生まれ育った北杜市で『Koma』をオープン。世界的名店で学んだ独自の味付けと北杜市の野菜の滋味深さを融合した、ここでしか味わえないデリが店内を彩っている。

 『金精軒』が生産をはじめたことで話題になった、大豆ミートの魅力を広く伝えるという役目も担う同店。「一般的な大豆ミートは油を抜いて乾いた状態で販売されているものが多いです。『金精軒』では生の大豆をそのまま使用することでうま味やコクが出て料理に幅広く利用できます」。新製法で製造されるそれらは香ばしく、従来の概念が覆される味わいだ。

 甲斐駒ヶ岳から名付けられた『Koma』という店名。「おいしい野菜が育つのは、駒ヶ岳から流れる水のおかげ。この山の存在がなければ、今の自分はいなかったかも」。恩恵をもたらす偉大な山への感謝を胸に、再び北杜市で歩みを続ける。

DATA

この記事を取材した人

ライター 安田 淳
1985年、愛知県名古屋市生まれ。旅、グルメ、サウナの記事を多く執筆。学生時代に小淵沢でひと夏を過ごして以来、八ヶ岳エリアの自然と風土に惹かれ続けている。

カメラマン 田畑宏道
主に建築分野の撮影に携わり、本誌で八ヶ岳に関わるうち、その魅力に引き込まれる。


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