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趣のある古民家で楽しむ
肉厚のきくらげと手打ちそば<農家れすとらん きくらげや>

2024.12.20 食べる

徹底管理で育てたきくらげをそばに

 『きくらげや』という店名を見て、ここがそばの店だと思う人は少ないかもしれない。なぜこの名前に?とオーナーの伊藤亮子さんに尋ねると「自分たちで作ったきくらげを練り込んだそばを、多くの人に味わってほしかったから」と穏やかに話す。自社で栽培するきくらげは、温度や湿度、二酸化炭素の量を緻密に管理。栽培に必要な水はもちろん、清らかな八ヶ岳の伏流水だ。

 こうして手間暇かけて育てたきくらげは、驚くほど厚みがあり大ぶりだ。八ヶ岳産のそば粉を中心に、その時期においしい粉を使って打つそばに、このきくらげをしっかりと混ぜる。もちもちとした食感の中にきくらげの粒感が感じられるそばは、ツルツルとのどごしもいい。つゆは、京都の削り節と宗田ガツオ、サバ節などをブレンドしてうま味たっぷりのだしをとり、上質なみりんを使って仕上げる。ほどよい甘辛さでさっぱりとしたつゆは、そばの香りと味を引き立たせる格好の脇役だ。


 「天ぷらもおいしいと言ってくださるお客さんは多いですよ」と伊藤さんが話すように、サクッと揚げた衣に包まれた肉厚のきくらげはコリコリとした歯ごたえで、食べ応えも十分。これはぜひサイドオーダーで頼みたくなる。


 「きくらげの他に、夏秋イチゴも自社農園で作っています」と話す伊藤さん。粒が小さく甘みがある夏秋イチゴはそのまま食べてももちろんおいしいが、ここではピクルスにして先付で提供する。さっぱりとしたビネガーの酸味とイチゴの甘みが楽しめるひと品だ。ランチの野菜天せいろは、きくらげそばと十割そばから選べ、そばが2枚も楽しめるとあってボリューム満点で大人気。これが評判を呼び、休日には遠方から足を運ぶ人も多いそう。築140年以上の古民家をリノベーションした趣のある店内で、おいしいそばときくらげをゆっくり味わうのは、またとないぜいたくな時間だ。

DATA

この記事を取材した人

ライター 小山芳恵
ライター生活四半世紀。八ヶ岳に出合ってその魅力にはまり、ライフワークの一環として八ヶ岳デイズに携わる。


カメラマン 荻野哲生
1986年生まれ。旅する写真家。「写真からストーリーが伝わるように心がけています」。

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