生産地への思いを　極上の一杯にのせて

　『寺崎コーヒー』は甲府で10周年を迎えたコーヒースタンド。その3号店を小淵沢にオープンした寺崎亮さんは「ここは大自然の素晴らしさが感じられる地。甲府と小淵沢のつながりが生まれそうな気がしました」と話す。大切にするのは地域のコミュニティー、そして地域の人たちとのコミュニケーション。常に窓を開け放っているのも「境界線をなくして地域に溶け込んで、道行く人たちとたくさん会話をしたいから」とのこと。

　そんな寺崎さんが提供するのは、ライトロースト（浅煎り）で素材の持ち味を引き出し、豊かな香りと複雑な味わいを楽しめるコーヒー。高度な焙煎技術があるからこそ、産地ごとに異なる個性を損なわずに表現できるのだ。

　また、産地や生産者も大切にしている寺崎さんは、実際にエチオピアの農園を訪れたり、ホンジュラスの生産者からは直接豆を購入している。「生産者にしっかり対価が払われている品質の良いコーヒーを日常生活の中で気軽に飲んでほしい」と語るのも、気軽にコーヒーを楽しむ文化が生まれれば、それが産地を支えたり生産者に還元されていくような循環が加速していくと考えているから。

　「スペシャリティコーヒーを日常生活に落とし込みたい」という信念を貫く寺崎さん。ラベルに生産者名を記載していることからも産地へのリスペクトが感じられる。

　「甲府と同じ豆でも標高も水も違うので小淵沢らしいテイストが生まれます。まずはこの豊かな自然の中で気軽に品質の良いコーヒーを楽しんでほしい」と話し、穏やかに微笑んだ。

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DATA

• terasaki coffee kobuchisawa
• 【エリア】山梨・北杜市
• 【電話】0551・33・9590
• 【住所】山梨県北杜市小淵沢町10184-2
• 【営業時間】10:00〜17:00（冬季は16:00まで）
• 【定休日】木
• 【他】instagram.com/terasakicoffee_kobuchisawa

この記事を取材した人

ライター・カメラマン 藤原恵里
山梨県北杜市清里生まれ。撮って書く二刀流フリー編集者＆野菜ソムリエで、日本種苗新聞の記者も務める。