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訪れる人たちが健康に、
幸せになれる豊かなキッチンガーデン

2023.9.1 八ヶ岳のモノ

別荘でゆっくりセカンドライフを楽しむ予定が一転、野菜づくり。 無農薬・有機栽培で多様な西洋野菜や食用花を育てる親子を紹介。

「自分たちが食べたい」 無農薬・有機野菜を栽培

 見渡す限りのどかな風景が広がる、蓼科中央高原。彼方に八ヶ岳 の雄姿も見られるこの場所で、無農薬の野菜を育てるのが佐藤保子さん、トムさん親子だ。

 「定年後にここでゆっくり暮らそうと思って、蓼科に別荘を持ったのですが、なかなかいい野菜が手に入らなくて。 キャベツ畑で農薬 を散布している様子を見て、自分たちが食べたい野菜とは違うと感じました」と当時を振り返る保子さん。まさか、自分で農業を始め るとは想像もしていなかったが、地域の交流会で出会った人との縁で、今の場所を借りることになったそうだ。

「広い畑ですが、地主さんがご厚意で、使えるだけ使っていいよっ て言ってくださって。農業のこと は何もわからず素人でしたが、こ この地主のお母さんが無農薬野菜 を作っていらしたので、 地主のお友達から野菜づくりのノウハウを教えていただいたのよ」とにこ やかに話す。「最初は失敗ばかり。雪解けにジャガイモを作ろうとで畑を耕していたら、近所の方から『何をやってるの? そんな鍬じゃ全然だめだよ。時期もまだ早いよ』と教えていただいて(笑)少しずつ覚えていきました」。

一言で無農薬、有機栽培といっても簡単な話ではなく、最初は虫食いだらけだったという。「でも食べられないことはないんですよ (笑)。失敗から学んでいます」。かつてイギリスで暮らしたことがある保子さんは、ルバーブやビーツなど、イギリスの食卓に登場した珍しい野菜をいつか育ててみたいと思っていたという。その頃、仕事で海外へ何度も行っていたトムさんがイギリスから持ち 帰ったトマトの種を栽培したところ、うまく実をつけた。以来、西洋野菜やハーブの栽培に取り組んでいる。「最初は試行錯誤の繰り返し。 10年かけてようやくうまく育てられるようになりました」。

うわさを聞きつけて、シェフたちも訪れるようになり、「こんな野菜を作ってみたら?」と提案をもらうことも。 「イギリスには自分の庭で育てた野菜をいただくキッチンガーデンがあります。 ここが訪れる人々みんなのキッチガーデンになればいいと思っています」。

難易度が高い野菜や花づくりにも挑戦

佐藤さん親子が育てる野菜は実に多種多様だ。特にトマトは30種 類以上を栽培する。 「日本の気候で育てるのは大変難しいです。 肥料はどんな種類をどのくらい入れるのか、温度管理はどのようにすれば良いか種子の開発会社と情報交換を行いながら作っています」。 また信州伝統野菜の糸萱かぼちゃや、難易度の高いレモンバーベナなどのハーブ類、食用の花の栽培にも挑戦している。「ここの土は八ヶ岳の伏流水を常に含んでいて柔らかくミネラルも豊富で、栽培には適しています。 朝晩の気温差も、野菜や植物にとっては恵みです」と2人は笑顔だ。 

広大な畑で貸し農園や農業体験も行っていて、シーズンになると 農業を楽しむ人たちで畑は一層 賑わいを見せる。「もっと多くの人に野菜づくりの楽しさを知ってほしい」と保子さん。「育てて楽しい、 収穫して楽しい、食べて楽しい。この畑からの素敵な贈り物をいろいろな人に届けていきたいと思っています」。

#ポニーハウスサラダガーデン#長野県#野菜栽培

  • ポニーハウスサラダガーデン
  • 【エリア】長野・茅野市
  • 【住所】長野県茅野市北山蕨原5668-1
  • 【営業】 4月~10月末
  • 【電話番号】0266・78・3878
  • 【その他】https://ponyhouse.jimdofree.com/
この記事を取材した人

ライター 小山芳恵
ライター生活四半世紀。八ヶ岳に出合ってその魅力にはまり、ライフワークの一環として八ヶ岳デイズに携わる。


カメラマン 篠原幸宏
1983年生まれ。20代後半の旅をきっかけに写真を始める。現在、長野県を拠点に活動中。

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